ケータイ小説ってばかにできないよ!!
ケータイ小説が女子高生に大人気ということをネットニュースで知った。
今まで、僕はケータイ小説に興味を持ったことは無かったのだが、女子高生に人気だということを知ってしまったからには無視するわけにはいかない。
一応、小説を書いたことがあるのでまあやってみるかと軽い気持ちで、練習として携帯で文章を書き連ねてみたのだがあまりの文章のひどさを目の当たりにして、布団を涙で濡らすという惨めな結果となってしまった。
女子高生のファンからのメールが毎日来るという希望溢れる未来は遠ざかっていった。というか最初から与えられなかったようだ。
こうしてケータイ小説を書くことを諦めたのだが、ケータイ小説にはどんな話が多いのだろうかと気になったので検索してみたら、以下の文を発見した。
どうやら、人気のケータイ小説の文章を抜き出したものらしい。
「ギャ!グッワ!待ってくれ!待ってくれ!」
オヤジは、叫んだ。
「許してくれよ!入れたかっただけなんだから」
「バキッ!ボコッ!」
ケンはかまわず殴り続ける。
「ヒッー!助けてー!助けてー!」
オヤジが悲鳴に近い叫び声をあげた。
「お前みたいな奴がいるからいけないんだ!」
ケンが叫びながら殴り続ける。
「ギャー」
オヤジの血があたりに飛び散った。ケンのコブシも血で染まっている。
「世の中!狂ってんだよ!狂ってんだよ!」
ケンの形相は、もうフツウではなかった。その様子を見ていた、ミクも従業員も言葉を失ってしまっていた。思わずミクが言った。
「店長!それ以上やったら死んじゃう!」
「ガッシ!ボカ!」
ケンには、まったく聞こえていない。オヤジも失神したのか動かなくなった。
「キャー、やめて!」
ミクが叫んだ。
「あっ……はい」
従業員が後ろからケンを押さえた。
何で、擬音にかぎかっこを使っているのだろうとか「あっ……はい」って言っている人物が誰なのか分かりにくい―従業員が言っているのだろうが―とか疑問に思うことはあったが、これは僕の文章よりあきらかに上だった。
ケータイ小説、意外とばかにできないなと感じながらサイトを見ていると、ひどい文だとかおれの方がうまく書けるとか書いている人間が多かったので、思わず椅子から転げ落ちてしまった。世の中には文章力がある人間が多いらしい……
ここまで書いたのを見て、やっぱり自分には文章力が無いなと感じた。
未来はあまり明るくないようです('・ω・`)