週刊少年パラノイア―好きっていう妄想編


好かれる女子の心情も考えてあげてくださいよ

ある日、職場やクラスメートの女子に惚れていると気づいたとしても、その日から好きになった相手一人にいきなりアプローチして上手くいく筈がないのはid:takisawaさんの仰る通りだと思う。疎遠な仲の女子に対して、ある日を境に掌を返したように態度を変化させるとしたら、さてどうなるだろうか。よしんば女子の側が誰かに好かれたいという期待があったとしても、まずは戸惑ったり不安になっちゃったりするんじゃないかと思う。


 第一に、対象異性との接点が少ない状況下のアプローチは「なんでこの人は私に寄ってきたんだろう?」「この人は私の見た目以外のどこをみてくれているんだろう?」という疑問を女子側に促しやすい。この疑問は、ともすれば「私の見た目以外、この男は何を見て知っているの?」「もしかして私の身体が目当てなんじゃないの?」という不安にすら成長しやすく、その帰結として「私のことジロジロみていて怖い」という嫌悪に到達する可能性をも秘めている。ルックスを褒められることを喜ぶ女子が多いとはいえ、見た目以外の色々を知ったうえでアプローチしてくる男性をこそ、彼女達はまともな交際相手として望んでいる。だが突然の一本釣り的アプローチは、上記のような(誤解を含んだ)疑念と嫌悪感を育むにはなかなか好都合だったりするので、あなたの“純真な好意”が「身勝手なエロ男」と誤読される可能性すらあるわけである。 エロゲ脳的観点からすれば、「素敵な異性が突然体当たりしてきたり、突然因縁をつけてきたり」というのは悦ばしいことのようにみえるかもしれないが、女性の場合はそうはいかないということだ。“男性依存・セックス依存になっているわけではない、"大抵のクラスメート女性”は、どれほどの美男子であったとて、どこの誰だか詳細不明の相手にいきなり濃厚に関わられることを望んでいない

(中略)


 惚れている男の側、つまり異性を選ぶ側も期待と不安でいっぱいだろうけれども、惚れられる女の側、つまり異性に選ばれる側もまた、異なった形の期待と不安でいっぱいなのだ。あなたが自分の好意が受け容れられるかどうかをドギマギしているのと同等かそれ以上に、女の子の側も「どんな男に好意を持たれたのか」「好意を持ってくれた男が何者なのか」とドギマギしている事にあなたは気づいたほうが良いだろう。惚れる側も必死かもしれないが、惚れられる側も必死。ある程度聡明な女子なら、モテたモテたと有頂天になる前に、ハイリスクな男性かどうかを精一杯知ろうとするに違いないし、リスクを推測する材料が少ない場合には警戒の色合いを深めるのは無理のないことだ。

  肯定的な情報がろくに無い正体不明の男から、突然一方向的にアプローチしてきた時に女子はどんな心配を覚えるだろうか?そして心配を緩和するにはどんな方法があるのか?これは思案の価値がある。間違いなく言えるのは、惚れられる側の事情や心境に対してなんら想像力を働かせることなく、己の発情期と手前の恋愛空想だけに目を奪われているようではダメだろう、ということだ。大抵の女子は、惚れられる側の心情に対して想像力の欠落した振る舞いをみせる男など御免こうむりたいと思っている。「こいつはあたしの心情なんかそっちのけで、勝手に惚れて勝手に舞い上がってる」と女子に思い込まれるようでは、恋愛成就はさぞ難しかろう。

(太字は筆者による)


いや、まじで痛い言葉だ……

でも、この問題ってかなり解決が難しいと思うのですよね〜。特に喪男問題を考えるにあたって難しい。
喪男はいじめなどによってコミュニケーションの現場から排除されている場合が多い。
まず、色々な人とゆるやかに繋がることから困難に陥っているのだ。


人間扱いしてくれる優しい(あるいは中立的、同じように底辺にいる)クラスメートに惚れる場合が多いのだけど、もちろん今までの接点がほとんどないわけで。
どうにかして接点を持とうとするわけだけど、コミュニケーションの場から排除されていた彼には他の女子とも交流を持ちながらゆるやかにアプローチするという選択が無い(ていうか選べない)ので、上から垂らされた蜘蛛の糸をつかもうとするかのように溺れる者がわらをつかもうとするように彼女一人に急激にアプローチすることになってしまう。

それと「見た目以外の色々を知ったうえでアプローチしてくる男性をこそ、彼女達はまともな交際相手として望んでいる」という条件を満たすのはコミュニケーションの場から外されている喪男からするとかなり厳しいと考えられる。


以下の文を読んでほしい

124 :('A`):2006/11/21(火) 03:17:19 O

高校時代にクラスの女が言ってたけど、

彼氏にするにも「最低ライン」ってのがあって、それを越えて悪いと

他がどんなに良くても評価に入らないらしいよ。

人にもよるけど、大抵は顔は中の上以上、

身長はヒール履いても背が逆転しない程度あるならいい。

性格は一緒にいてつまらなくなければ。

趣味が同じだとかなり評価は高くなる。

ただ、最低ラインクリアじゃ意味が無いみたいで、

何かアピールポイントが無いといけない。

評価が高いのはやっぱり顔と性格らしい。

256 名前:('A`) 本日のレス 投稿日:2005/11/26(土) 03:45:20 0

わかろうがわかるまいが関係ない。本当のキモメンは女の目にインビジブル。これが真理


これに表されるようにキモメンはそもそも「見た目以外の色々」を知る機会がまったくといっていいほど与えられないのだ。女性に学校や仕事の用事以外で話しかけられる機会が非常に少ない。その女性が友達同士で話しているところなどを偶然聞くくらいしか中身を知る機会はない。もちろん、それでは意味がないわけで……
これに対して、喪板や喪話でイケメンとされる人は女性に話しかけられる機会が喪男にくらべ多い。そうやってコミュニケーションをとっていきうまくいけば警戒を解くことができ、アプローチもうまくいきやすい。
このような形でイケメンがかっさらっていくのだ。


喪男には無関係あるいは嫌悪の状態しか与えられないのだ!
これでどうやって接点を持てというのか?


「そんな自分の事情よりも相手の気持ちを考えろ」という意見はもちろん正しくてそうするべきなんだけど、じゃあ考えた先に何ができるのだろうかということがあるわけで……
これを突き詰めて考えると「やっぱ、自分は恋愛とか無理なんだ。うぐぅ……そろそろ死のうかな」ってことにしかならないような気がしてならない。


「恋愛放棄(断念)」という考えは素晴らしいと思うし、これができるに越したことはない。


ただ、本田透が喝破したように現代社会は恋愛資本主義になっており、「いい年になって恋人もいないやつはだめ」、「思春期以上で恋人いない歴=年齢は恥ずかしいものだ」などのように恋愛ができない(しない)人間を見下すようなアナウンスがされているのだ。そして、多くの人間が恋愛するようにと市場に投げ出されてしまう。
そこでは愛される人と愛されない人がでてくる。愛される人はいいが、愛されない人の心は満たされずつねにそのことで苦悩を持ち続けることになってしまう。


そこで本田は萌えを持って恋愛資本主義にたいしてアンチを唱えたわけだが、萌えが癒しの装置として主流になるのはまだまだ時間を要すると考えられる。
そうなると癒しを恋愛に求めることとなり、いかに無謀であろうが、自分を救ってくれそうな(とか書くと批判きそうだな〜)異性に特攻せざるをえなくなってしまうのだ。
そして大抵の場合、その行為は失敗し相手を傷つけてしまい、かつ自分も傷つくというバッドエンドになってしまう。


これではどう考えても厳しい。


そろそろ結論に入るとしよう……

「惚れられる側の事情や心境に対してなんら想像力を働かせることなく、己の発情期と手前の恋愛空想だけに目を奪われているようではダメだろう」というのは正しい。


ただ、方法論が無い人間に対して「他者の気持ちを想像しろ!」とだけいうのはいささか残酷ではないだろうか? 


喪はコミュニケーションから除外されているので、特攻という一発逆転を狙った行為(というか単なる自殺行為)をせざるを得ない。
だいたい、イケメンは「その日から好きになった相手一人にいきなりアプローチ」なんてほとんどしない。そもそもそんな必要が無いからだ。


つまり、ここで必要なのはコミュニケーションから除外されてしまった人間がまたコミュニケーションができるような環境と方法なのだ。


引用元の話とは大きくずれてしまいおかしな話になってしまったが結局言いたかったことは、


「職場やクラスメートの女子に惚れていると気づいてその日から好きになった相手一人にいきなりアプローチ」するような人は、そもそもコミュニケーションする段階から除外されていて、それ以外方法が無い場合が多い。
つまりこれはコミュニケーションからの除外という問題がメインであり、想像力の問題は二の次じゃないの?
ということ。


二時間以上かけて書いたけど、つまらない文になってしまったなと反省……