不可視な彼女
「あんたはよくこんなにも人を傷つけられるわね。あの子が具合悪くなったのも、たぶんあんたのせいよ。
あんたはきもいから。顔がきもくても、心と雰囲気がまともだったらまだ何とかなっただろうけど、すべてにおいてきもいもんね。あんたは。
そこを忘れて、「女はばかだ」とか「護身」とか言うなんてばかじゃない?
もう本当に救いの無いばかよ。
あんた、友達いないでしょ? 誰とも話せずいつも一人ぼっちで過ごしているでしょ。あんた、コミュニケーション能力なさそうだものね。節々から見て取れるわ。でも、僕を救ってくれる誰か、あるいは何かを待っているでしょ。ばかじゃないの? そんなんあるわけないでしょ、本当、あんた見ているといらいらしてくるのよ。コミュ力なくて、暗くて、何もできなくて、顔も悪くて、太っていて、運動神経ゼロで発達障害なあんたを見ているといらいらするのよ。
きもいっ! きもいのよ!」
と目の前に降りてきた白ロリの天使は言った。
僕は黙って立ちながらひたすらこみ上げてくる吐き気と闘っていた。
自分に価値が無いことは分かっていた。分かってるんだけど、いざ言われてしまうと耐えられなくなってしまうようで、胃の内容物がどんどん逆流してくる。もう、何回か喉の方にまで来ている。
「うげ〜っ」
結局、耐え切れずに吐いてしまった。天使はもう相手をしたくないといった感じで僕を見る。
そんな目で見るなよ。見ないでくれ。
天使様にまでそんな態度取られたら、僕は誰に許してもらえるんだよ。
僕の魂は地獄の奥底に行くしかないのかよ。
しかも、天使様と会ったのは今が初めてだよ? 何で、初対面の人(?)にそんなこと言われなくちゃいけないんだ。
胃がむかむかする。吐いたばっかりなので口の中が気持ち悪い。
ああ、最悪な朝だ……
みたいな文しか書けない僕って最悪だ……